1. 超高速スピン物性の可視化と操作

電子が持つスピン自由度を活用したスピントロニクスデバイスが注目を集めています。近年では、格子振動(フォノン)や光子(フォトン)とスピン系との結合によって、新たなスピンデバイスを創出する取り組みが進んでいます。こうした複雑な素過程を光計測で可視化し、操作する研究を進めています。

 右図は、ニッケル表面でのフォノンとスピン系との結合によって、ニッケルの表面振動量が徐々に減少する様子を光干渉計測で可視化したものです。
 実験結果(a)と計算結果(b)から、表面振動とスピン系が結合した磁気弾性波の伝搬距離はミリメートル以上と非常に長く、デバイス動作に大きく影響することが分かりました。
K. Maezawa, et al., Phys. Rev. Applied 21 (4), 044047 (2024).

 左図は、フォトンによってパーマロイ薄膜内のスピン歳差運動を励起した実験です。光ポンププローブ計測で観測した時間波形(a)とそのフーリエ変換波形(b)から、外部磁場を変えることで様々な周波数のスピン歳差運動が励起できることがわかります。
 我々は、光周波数コム技術を用いることで、このような時間分解測定を極めて高速に行うことができます。
D. Nishikawa, et al., Rev. Sci. Instrum. 94, 063003 (2023).

慶應義塾大学 理工学部 物理学科

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